オイルの抽出1

ある原材料から油を抽出するにはいくつかの方法があります。
圧搾方法として二つ、そして溶剤を使う方法です。

 

低温圧搾法(コールドプレス)

 

原材料から油を抽出する際に、熱を加えずにゆっくりと60度以下で圧力をかけることによって搾る方法です。

 

熱を加えないため、原材料にもともと含まれていた成分があまり破壊されずにオイルに残ります。
そのため風味や栄養面で優れたオイルが出来上がります。

 

紅花荏胡麻油の商品説明文

 

ただし搾りカスにどうしても油が残ってしまうため、油の抽出量はあまり多くはありません。

 

高温圧搾法

 

原材料に高温の熱を加えることにより油を抽出し、その後精製加工を加える方法です。
低温圧搾法ですと2割程度の油しか取れませんが、高温圧搾法では6~7割の油を搾り取ることができます。

 

油の量が取れるため、生産者(メーカー)にとっては効率が良い方法とも言えますが、成分的には栄養や風味が損なわれてしまうケースが多いです。

 

また高温の熱を加えることによりトランス脂肪酸が発生してしまいます。

 

溶剤抽出法

 

搾りカス、皮や種にヘキサンという工業用の溶剤を使って油を更に絞り出す方法です。
これにより99%の油を抽出できると言われています。

 

 

溶剤自体は健康上よくないものなので、その後精製して除去しますが、これによりオイルの栄養成分はほどんどない状態になります。
ヘキサンを除去する段階で高温処理しますからトランス脂肪酸が発生します。

 

油を大量に抽出できるためメーカーにとってはコスパの良い方法だと言えます。
通常スーパーなどで売られている安価な油の大半は溶剤抽出法を用いていると言われています。

 

エキストラバージンオリーブオイルについて

 
オリーブオイルの抽出

 

エキストラバージンオリーブオイルは低温圧搾法(コールドプレス)で一番搾りのオイルという定義づけがされています。

 

ですがオイルの抽出方法はさまざまです。
最近では石臼でペースト状にしたオリーブの実を水圧によるプレス機で圧搾する伝統的手法(いわゆる本来のコールドプレス法)を行う所は減少しています。

 

伝統的手法にこだわっている生産者もいますが、最近では主に「遠心分離法」といってペースト状にしたオリーブの実を遠心分離機によって油と水分とカスに分ける方法が主流です。

 

大量生産に向いている遠心分離法は、全ての作業が一つのラインに乗っていて生産効率が良く、空気に触れずに作業することができるため、衛生的で酸化を防ぐことができると言われています。

 

また「シノレア法」といって、ペースト状にしたオリーブの実の水分と油分の表面張力の違いを利用して抽出する方法もあります。

 

金属(ステンレス)に油のみが付着するためそれを集めていく方法で、圧をかけないため熱も発生せず非常に質の良いオイルが出来上がりますが、生産効率が悪くオリーブオイルの価格が高くなってしまうようです。

 

エキストラバージンオリーブオイルを選ぶ際に、伝統的な手作業によるコールドプレスではないからと不信に思う必要はあまりないと思います。

 

上記のようなオイル抽出法の違いにより多少のメリット・デメリット・特徴の違いはありますが、どれもエキストラバージンオリーブオイルです。
どの方法でも温度管理(27度以下)や手法により高温には晒されません。

 

他の種類のオイルもそうですが、チェックする際は「熱を加えているか」、「薬品を使っているか」、「精製加工されているか」といったところを第一に確認するといいと思います。

 

参考文献:オリーブオイルの選び方 使い方 イタリアフード協会
エキストラバージンの嘘と真実 トム・ミュラー