オリーブオイルでの調理風景

エキストラバージンオリーブオイルは生で食べた方がいいと言われていますが、一方で加熱にも使った方がいいという意見もあります。

 

そこでエキストラバージンオリーブオイルを加熱するといったいどうなるのか、また本当に加熱に向いていると言えるのかどうかを様々な角度から洗い出してみることにしました。

 

発煙点から考える

 

「発煙点」とは油を加熱した時に煙が出る温度のことです。
発煙点を越えるほど高温にしてしまうと、油が分解し始め食材にもよくない影響が出るため、主にこの発煙点を越えないように料理をする方がいいと言われています。

 

品質が良いエキストラバージンオリーブオイルの発煙点は約210℃

これは油の中でもかなり高い温度になります。
(ただし質の悪いものになるともっと低くなると言われています。)

 

210℃といえば、揚げ物にも耐えられる温度ですよね。
一説によるとオリーブオイルで揚げるとカラッと揚がると言われています。

油があまり素材の中に染み込んでいかないため、ベタベタしないということです。
(今度やってみようと思います。)

 

成分はどうなってしまうのか

 

エキストラバージンオリーブオイルを加熱してしまうと、その中に含まれる成分はどうなってしまうのでしょうか。

 

オリーブオイルの脂肪酸といえばオレイン酸。

オレイン酸は酸化に強く、熱を加えてもその成分自体にはあまり影響がないと言われています。

 

この点では加熱に向いていると言ってもいいと思います。

 

しかしエキストラバージンオリーブオイルといえば「オレウロペイン」や「オレオカンタール」などのファイトケミカルが有名。

 

ファイトケミカルは加熱によって成分が損なわれることはないのでしょうか。

 

オレウロペイン

 

主にオリーブの葉に含まれる成分ですが、特に早摘みのオリーブで作ったオリーブオイルにも含まれています。

 

オレウロペインのパワーによりダイエットを助けるとも言われています。

 

このオレウロペインは熱に弱いとされているので、エキストラバージンオリーブオイルを加熱に使った場合はメリットをあまり得られなくなってしまう可能性があります。

 

オレオカンタール

 

抗炎症作用があると言われるオレオカンタール。
こちらも早摘みオリーブに多く含まれる成分です。
最近注目されている成分で、ガンやアルツハイマー対策に有効ではないかと言われています。

 

オレオカンタールも加熱によってメリットが低下してしまうようです。

 

一方、ファイトケミカルというのはそもそも加熱することによって細胞の外へ排出される(吸収しやすくなる)ので、野菜に含まれるファイトケミカルはスープとしてよく煮込んで抽出します。
(※ベジブロスといって野菜のくずをじっくり煮出して作ったスープがあります。)

 

これを考えると、一口にファイトケミカル(ポリフェノールはファイトケミカルの一種)と言っても、もしかしたら加熱に強い成分と弱い成分が存在するのかもしれません。

 

エキストラバージンオリーブオイルに含まれるファイトケミカルは、できるだけ生で食べた方が効率よく摂取できそうです。

 

トランス脂肪酸は発生するのか

 

エキストラバージンオリーブオイルは加熱処理をしないオイルですから、それ自体にはトランス脂肪酸は含まれていません。

 

しかしエキストラバージンオリーブオイルを加熱調理に使った場合、トランス脂肪酸は発生するのでしょうか。

 

トランス脂肪酸が発生する一つの原因に、油を高温で熱するということがあるため、エキストラバージンオリーブオイルを熱した際にもトランス脂肪酸が発生する可能性はあります。

 

ですが、トランス脂肪酸がない油と、もともとトランス脂肪酸が入っている油では、そもそもスタートラインが違うということでしょう。

 

味や香りは消えるのか

 

エキストラバージンオリーブオイルの風味というのは、熱を加えない搾りたてならではのものです。

 

そしてポリフェノール成分が特有のピリッとした辛味成分でもあります。

 

オリーブオイルのポリフェノールが加熱によって減少するのであれば、当然そういった風味も薄れてしまうでしょう。

 

とは言え全てではないはずですし、実際エキストラバージンオリーブオイルを使って加熱調理をした場合、特有の風味が料理にうつってしまうこともあります。

 

これが美味しいのか苦手なのか、それは料理の種類や個人の好みによるでしょう。

 

コストがかかり過ぎ?

 

エキストラバージンオリーブオイルを全ての加熱調理に使う場合、今までの油と比較すれば当然コストがかかってくると思います。

 

本物のエキストラバージンオリーブオイルは1mlあたり最低3~10円。

 

おそらく数倍、もしかしたら十数倍ものコスト増になるかも・・・。

 

個人的な好みを追求すると・・・

 

うちではどちらかというと油を使って料理することが少ない家庭だと思います。
特に揚げ物というものはほとんど作りません。

 

でもゼロではないし、子供は鳥のから揚げが大好きだし・・・。
昔はサラダ油を使っていて、最近ではグレープシードオイルも使っていました。

 

鳥の唐揚げ

 

個人的な好みの問題として、エキストラバージンオリーブオイルの味と風味が全ての料理に合うかどうかは、ちょっと疑問に思っています。

 

私は以前、玉子焼きを作るのにエキストラバージンオリーブオイルを使って焼きましたが、どうも香りが邪魔をしてしまい好みに合わない味になってしまったことがあります。

 

しかしこのブログでも紹介したように、ぶりの照り焼きに使った時には特に香りが気になるようなことはありませんでした。

(というか香りが消えたか、ぶりの濃い味に負けたかどちらか)
ぶりの照り焼きでDHA・EPAを美味しく摂る

 

確かにオリーブオイルは多くの和食にも合うのは認めますが、それでも全部ではない以上、それをどうしていくのかといった課題が残ります。

 

つまり合わないメニューではいったいどの油を使えばいいのか。
私は現在、炒め物などにオメガ6のグレープシードオイルも使っていますが、今後どうするかはもう少し考えたいと思っています。

 

まとめ

 

ここまでのことを見てみると、私個人の見解ですが、

 

「エキストラバージンオリーブオイルは生で食べるのが一番良いが、他のオイルと比較すると加熱調理にも向いている面もある。でも使いたくない料理もある。」

 

というなかなか複雑な結論が導かれました。

 

このあたりのことはそれぞれの食生活や味の好み、健康状態、使える費用によって変わってくるでしょう。

 

ですがエキストラバージンオリーブオイルを加熱に使うメリットはあると思います。

 

確かにエキストラバージンオリーブオイルを加熱すれば、せっかくのポリフェノールが減少してしまうし風味も落ちるしでもったいないのでは・・・とも思います。

 

ですが、油を使った料理を全くしない家庭は別にして、日々自炊をしている一般家庭では調理用オイルは必要になってきます。

 

そんな時、トランス脂肪酸もなく酸化にも強く発煙点も高いエキストラバージンオリーブオイルは加熱に向いている油と言えます。

 

もともと液体のオイルですから取り扱いも楽です。
酸化に強いバターやラードで揚げ物っていうのも美味しそうですが、常温では個体ですので取り扱いは面倒そうです。

 

何を一番優先するかによりますが、エキストラバージンオリーブオイルは、たとえ加熱して成分が減少したり風味が劣化しても、他の油よりもメリットになり得る点はあると思っています。

 

参考文献:エキストラバージンの嘘と真実 トム・ミューラー、読むオイル辞典 YUKIE