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オリーブオイルとオメガ3な日々

主にエキストラバージンオリーブオイルとDHA・EPA、えごま油、亜麻仁油などのオメガ3系オイルについて勉強していく様子を紹介するブログ

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飽和脂肪酸って結局のところ健康にいいの?悪いの?

よつ葉バターと雪印の無塩バター

「飽和脂肪酸」とは融点(個体が液体になる温度)が高いため、常温では個体の場合が多い脂肪酸です。

バターやラードといった乳製品や肉に含まれる脂などがこれにあたります。

 

でもバターやラードといった動物油脂(飽和脂肪酸)ってなんとなく身体に悪いイメージがありませんか?

でも実際のところどうなんでしょう。

 

飽和脂肪酸はとっていいの?ダメなの?

 

飽和脂肪酸(動物油脂)が健康上良くないという理由で、植物油がもてはやされ今にいたります。

 

でも本当のところ「どうなの??」って思いませんか。

 

もちろん人によって一概には言えませんが、植物油にも良い面と悪い面がある以上、単に「植物油」だからとか「動物脂」だからと一括りにしてしまうのは間違いかもしれません。

 

ちなみに「動物油脂=飽和脂肪酸」ではなく、植物油でもパーム油などは常温で固体であり飽和脂肪酸に分類される油です。

 

農林水産省のホームページを見ると、飽和脂肪酸について次の様に記述しています。

 

飽和脂肪酸は、炭素-炭素二重結合を持たない脂肪酸で、乳製品、肉などの動物性脂肪や近年、我が国において使用量が増えているパーム油などの植物油脂に多く含まれています。

これらも重要なエネルギー源ではありますが、とりすぎると血液中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が増加し、動脈硬化が促進されることが予想されています。

近年の研究では、飽和脂肪酸の摂取量が多い場合に冠動脈性疾患、肥満、糖尿病が問題となることが解っていますが、これらの直接の原因が飽和脂肪酸の摂取であるかどうかは明らかではありません。

飽和脂肪酸を多く摂取するような生活習慣が、心筋梗塞や糖尿病リスクを増加させると考えられています。

日本人の食事摂取基準では、飽和脂肪酸の摂取量が少ない場合にも、脳出血、生活習慣病のリスクを増加させる可能性があると考えられており、目標量の上限、下限がそれぞれ設定されています。

 

過剰摂取すると健康上トラブルが発生することが分かっているけれど、飽和脂肪酸が直接の原因かどうかは分かっていない。

 

なんだか微妙な言い回しですよね。

 

因果関係がハッキリしないけれど、たくさんとると実際トラブルが発生するケースが多いということでしょうか。

 

しかも現在の日本人の食事摂取基準では、飽和脂肪酸が少ないケースも良くないらしい。

 

ということはやっぱりポイントは「摂取量」ということなのでしょう。

 

同ページに掲載されている飽和脂肪酸についての目標量は上限が7%下限が4.5%となっています。

これは総エネルギーに対する割合です。

 

例えば私(30~49歳女性)の一日のエネルギー摂取量を2000kcalとすると、だいたいこんな数値になります。

(脂質1gは9kcalで計算)

 

・上限・・・2000kcal×7%=140kcal、140kcal÷9kcal≒15.6g

・下限・・・2000kcal×4.5%=90kcal、90kcal÷9kcal=10g

 

ちなみに上記の計算で脂質全体の総量を計算すると、一日44~45g程度になります。

(一日の脂質を20%で計算)

 

飽和脂肪酸を上限で摂るのか下限で摂るのか、または不飽和脂肪酸(オメガ3やオメガ6)の割合や量も関係してくるので、それによって実際の数値は違ってくると思います。

 

とんかつにはラード、クッキーにはバターがいい

 

私が動物性油脂(飽和脂肪酸)を調理に使うとすれば、ほぼ100%バターです。

 

現在家にあるのは上記画像の二つのバター。

 

よつ葉のバターで作っているのは、主にスクランブルエッグなど。

スクランブルエッグはやっぱりバターで作らないと美味しくないです。

 

他にもピラフなどの洋食にはやっぱりバターが合いますね。

 

そして雪印の無塩バターは子供とクッキーを作った時の残り。

 

クッキーの型をぬく

 

お菓子作りには無塩バターが一番です。

マーガリンやショートニングではなくやっぱりバターが美味しいですし、トランス脂肪酸の量も違います。

 

私は処理が面倒そうなのでやったことがありませんが、とんかつはラードで揚げるのが一番美味しいと聞きます。

カラッとジューシーに揚がるのだそう。

 

とんかつを揚げる図

 

こんなわけで調理用の油脂としての動物性脂肪を徹底的に廃止するつもりはありません。

 

ただ一つ気になるといえば、魚より肉が多いということ。

これはオメガ3(DHAやEPA)のこともあるから、もう少し魚を増やしていきたいのが本音です。

 

結局、NGなのはトランス脂肪酸か

 

結局、良くないのは「トランス脂肪酸」ってことになるのでしょうか。

 

飽和脂肪酸やオメガ6などは、デメリットもあるけれどそれは量の問題。

全く摂らないのも良くないのです。

 

でもトランス脂肪酸だけは、食べないに越したことはないってことですよね。

トランス脂肪酸に関しては上限値を設定している国はあっても下限値がないのがその証拠。

 

ちなみに日本ではトランス脂肪酸の目安量は設定していません。(2016年現在)

 

今の日本人はあまり問題になるほどトランス脂肪酸の摂取量は多くないため、国もこれといった対策はしていませんが、将来的にはどうなるか分かりません。

 

トランス脂肪酸の中には天然のものもあり、そこまで排除する必要はありませんが、量に関係なくできるだけ摂らないように気をつけるとすればやっぱりトランス脂肪酸ということになるでしょう。

 

リノール酸は悪?どんな食品(油)に含まれるのか?

から揚げを揚げている図

オメガ6の油の代表と言えば「リノール酸」です。
リノール酸は多くの食品にもともと含まれるほか、加工食品にもリノール酸が多く含まれています。

 

そんなリノール酸、かつては動物性油脂のかわりに積極的にとった方がいい油として推奨されていました。

 

ところが近年、その常識は覆されリノール酸の過剰摂取が問題になっています。

 

リノール酸は多くの油や食品に含まれている

 

リノール酸はオメガ6系の油(多価不飽和脂肪酸)です。

 

かつて動物油脂が健康上良くないと言われ、それにかわって台頭してきたのが植物油脂、なかでもリノール酸が多く含まれるサラダ油でした。

 

多くの家庭で使われるサラダ油をはじめとする調理用油にはリノール酸が主流のものがたくさんあります。

 

うちで使っているグレープシードオイル

↑我が家で使っているグレープシードオイルもリノール酸がメインの油です

 

いわゆるサラダ油によく使われているコーン油や大豆油、ごま油などはリノール酸の含有量が多い油です。
しかし最近ではひまわり油(サンフラワー)や紅花油(サフラワー)など、リノール酸メインだったものをオレイン酸メイン(ハイオレイック)に品種改良したものも出回っています。

 

ひまわり油(サンフラワー)

 

またリノール酸は多くの食品にもともと含まれています。

 

日本食品標準成分表の油脂成分を種類別にチェックしてみたところ、ほぼ全ての食品にリノール酸が含まれていました。

(「コーヒーホワイトナー粉末状(コーヒー用クリーム)」と「アルコール飲料類」のみリノール酸が「ゼロ」表示になっていました。)

 

このことから、ほとんど全ての食べ物の中には自然な状態でリノール酸が含まれていると思っておいて間違いないと思います。

 

そして今問題になっているのが加工食品に含まれるリノール酸です。

加工食品はいわゆる「見えない油」で、とっている意識があまりありません。

 

ですが原材料名に「植物油脂」となっているものは、おそらくリノール酸がほとんどだと思います。

 

また外食やコンビニなどのお惣菜にもリノール酸が多く含まれています。

 

リノール酸がアラキドン酸に変化すると

 

リノール酸は人間の体内で作ることができないため、食品からとる必要がある「必須脂肪酸」です。

 

必須脂肪酸である以上、人間の身体には必要不可欠なもので、一般的にコレステロールを減少させたり、お肌を保湿するのに役立っていると言われています。

また、全く摂取しないと成長が止まってしまうこともあるそうです。

 

ではいったい何がそんなにいけないというのでしょうか。

 

おそらくリノール酸自体が悪いというより、摂取量や他の油とのバランスが問題なのではと思います。

 

リノール酸は体内に入ると酵素により「γ-リノレン酸」に、そして「アラキドン酸」(どちらも必須脂肪酸)に変化していくのですが、アラキドン酸は過剰摂取すると体内で炎症を起こすことがあるといいます。

 

つまりそれがアレルギーやガンなどの原因の一つではないのか?と言われているのです。

 

理想的なバランスは4対1?2対1?それとも・・・

 

必須脂肪酸である以上、リノール酸もやはり人の身体には大切な栄養素です。

 

しかしどんなものでもそうですが、過剰摂取すると思わぬ弊害が出てくるものです。

 

そんな中でよく言われているのがオメガ6とオメガ3の摂取量は「4対1」~「5対1」が目安であるというもの。

 

これは厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2015年版)が出している数値です。

(年齢や性別によって若干違います)

 

他にも「2対1」ではないか、いやいや「1対1」では・・・など、この比率には諸説あるようです。

 

正直これに関してはよく分かりません。

 

ここからはあくまでも個人的な見解になります。

 

まず上記にも述べたように、ほとんど全ての食品にはリノール酸が含まれているため、普通に食事を摂っていればリノール酸が足りないということはほとんどないような気がします。

 

そして我が家の場合、次のような食生活をしてきました。

 

・朝晩の食事は私がほぼ毎日作る(ご飯食とパン食のどちらか)

・昼食は子どもは給食、夫は外食、私は家にある何か

・外食は月に1~2回

・コンビニ食はあまり食べないが、全く食べないわけではない

・マヨネーズやドレッシングを好む

・加工食品を購入する(主に調味料とお菓子)

・夫と子供は焼き魚が合わない、子供は魚があまり好きではない

・肉にかたよりがちなおかず

 

このことから、夫と子供の昼食はリノール酸メインだと思われます。

そして市販のお菓子も家族みんなが食べてきました。

(ちょっとマズイかもと思い立ち、現在すこしづつ改善中)

 

こんな状態ですからオメガ3系の脂肪酸は意識して摂取しないと足りないような気がしています。

 

本当は日々の食事を分析してどの脂肪酸をどれくらい摂取しているのかを計算するのがベストだと思います。

ですが、それはちょっと現実的に厳しいです。

(いつかやる気になったら数日ピックアップしてやってみたいと思います)

 

こんな現状の中で、私個人としては、なるべくリノール酸を減らしオメガ3系オイルを意識して摂るようにするということを無理のない範囲でやっていこうと思います。

(ただしリノール酸をとった場合、罪悪感を持たないようにしたい・・・。メンタルの健康も馬鹿にできないから。)

 

個人個人がどの油をどれだけ摂取しているか分からない状態で「こうした方がいいよ」とは言えません。

 

みなさんも一度アバウトにでも食生活のバランス、自分の体調、そして現在どういった油を多くとっているかをチェックしてみるといいかもしれません。

 

低温圧搾法(コールドプレス)と高温圧搾法と溶剤抽出法について

オイルの抽出1

ある原材料から油を抽出するにはいくつかの方法があります。
圧搾方法として二つ、そして溶剤を使う方法です。

 

低温圧搾法(コールドプレス)

 

原材料から油を抽出する際に、熱を加えずにゆっくりと60度以下で圧力をかけることによって搾る方法です。

 

熱を加えないため、原材料にもともと含まれていた成分があまり破壊されずにオイルに残ります。
そのため風味や栄養面で優れたオイルが出来上がります。

 

紅花荏胡麻油の商品説明文

 

ただし搾りカスにどうしても油が残ってしまうため、油の抽出量はあまり多くはありません。

 

高温圧搾法

 

原材料に高温の熱を加えることにより油を抽出し、その後精製加工を加える方法です。
低温圧搾法ですと2割程度の油しか取れませんが、高温圧搾法では6~7割の油を搾り取ることができます。

 

油の量が取れるため、生産者(メーカー)にとっては効率が良い方法とも言えますが、成分的には栄養や風味が損なわれてしまうケースが多いです。

 

また高温の熱を加えることによりトランス脂肪酸が発生してしまいます。

 

溶剤抽出法

 

搾りカス、皮や種にヘキサンという工業用の溶剤を使って油を更に絞り出す方法です。
これにより99%の油を抽出できると言われています。

 

 

溶剤自体は健康上よくないものなので、その後精製して除去しますが、これによりオイルの栄養成分はほどんどない状態になります。
ヘキサンを除去する段階で高温処理しますからトランス脂肪酸が発生します。

 

油を大量に抽出できるためメーカーにとってはコスパの良い方法だと言えます。
通常スーパーなどで売られている安価な油の大半は溶剤抽出法を用いていると言われています。

 

エキストラバージンオリーブオイルについて

 
オリーブオイルの抽出

 

エキストラバージンオリーブオイルは低温圧搾法(コールドプレス)で一番搾りのオイルという定義づけがされています。

 

ですがオイルの抽出方法はさまざまです。
最近では石臼でペースト状にしたオリーブの実を水圧によるプレス機で圧搾する伝統的手法(いわゆる本来のコールドプレス法)を行う所は減少しています。

 

伝統的手法にこだわっている生産者もいますが、最近では主に「遠心分離法」といってペースト状にしたオリーブの実を遠心分離機によって油と水分とカスに分ける方法が主流です。

 

大量生産に向いている遠心分離法は、全ての作業が一つのラインに乗っていて生産効率が良く、空気に触れずに作業することができるため、衛生的で酸化を防ぐことができると言われています。

 

また「シノレア法」といって、ペースト状にしたオリーブの実の水分と油分の表面張力の違いを利用して抽出する方法もあります。

 

金属(ステンレス)に油のみが付着するためそれを集めていく方法で、圧をかけないため熱も発生せず非常に質の良いオイルが出来上がりますが、生産効率が悪くオリーブオイルの価格が高くなってしまうようです。

 

エキストラバージンオリーブオイルを選ぶ際に、伝統的な手作業によるコールドプレスではないからと不信に思う必要はあまりないと思います。

 

上記のようなオイル抽出法の違いにより多少のメリット・デメリット・特徴の違いはありますが、どれもエキストラバージンオリーブオイルです。
どの方法でも温度管理(27度以下)や手法により高温には晒されません。

 

他の種類のオイルもそうですが、チェックする際は「熱を加えているか」、「薬品を使っているか」、「精製加工されているか」といったところを第一に確認するといいと思います。

 

参考文献:オリーブオイルの選び方 使い方 イタリアフード協会
エキストラバージンの嘘と真実 トム・ミュラー

 

オメガ(ω)って何?オメガ3、6、9とは?

オメガって何_image

当たり前のように「オメガ3」なんて言葉を使っていますが「そもそもオメガって何だろう・・・」って思ったことありませんか?
(私だけでしょうか・・・)

 

オメガなんて時計くらいしか思い浮かばないし(持っていませんが)、電気抵抗の単位なんていうのはチンプンカンプンです。

 

そもそも油の世界で「オメガ」というのはいったいどういう意味なのでしょうか。
※化学にはめっぽう弱いので、稚拙な説明になる事をご容赦ください。
(でも逆に分かりやすいかも・・・)

 

脂肪酸とは炭素・水素・酸素が手を繋いでいるもの

 

脂肪酸は通常「炭素(C)」、「水素(H)」、「酸素(O)」が連なって出来ています。
炭素数が18個(C18)のものが多く、その配列の仕方よって種類が分かれます。

 

飽和脂肪酸

 

バターやラードといった「飽和脂肪酸」は、18個目以外の炭素が全て水素と連結しています。

飽和脂肪酸の化学式_小

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一価不飽和脂肪酸

 

オリーブオイルなどの「一価不飽和脂肪酸」は、二つの炭素の片側が水素と連結せずに炭素同士で二重に結合している部分が一か所ある脂肪酸です。

 

(例)オレイン酸の化学式

オレイン酸化学式_小

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多価不飽和脂肪酸

 

「多価不飽和脂肪酸」とは、4つ以上の炭素の片側が水素と連結せずに炭素同士で二重結合している箇所が二か所以上ある脂肪酸です。

 

(例1)リノール酸の化学式

リノール酸化学式_小

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(例2)α-リノレン酸の化学式

α-リノレン酸化学式_小

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オメガとは

 

上記の各図を見ると、一番目の炭素(C)は3つの水素(H)と連結しています。
この「CH3」を「ω位(オメガ位)」といいます。

 

この「CH3」をスタートとして、最初の二重結合部分の炭素の番号で表したものを「オメガ(番号)系」と言っているのです。

 

つまりα-リノレン酸なら最初に二重結合している炭素は3番目なので「オメガ3系脂肪酸」、リノール酸なら6番目なので「オメガ6系脂肪酸」、オレイン酸なら9番目なので「オメガ9系脂肪酸」ということになります。

 

ちなみにトランス脂肪酸とは

 

ちなみにトランス脂肪酸とは、二重結合している炭素に連結している水素が同じ方法ではなく反対側(向こう側=トランス)に連結している状態のものです。

 

シス型とトランス型

↑同じ方向で水素が連結しているのが「シス型」(画像左)、向こう側に連結しているのが「トランス型」(画像右)になります。