- 投稿 2017/03/17
- DHA・EPAについて

先日、久しぶりにカツオのお刺身を買い夕食に食べました。
サッパリとポン酢でいただいたのですが、カツオってまぐろとはまた違った美味しさがありますよね。
カツオと言えば「初鰹」と「戻り鰹」の二つを思い浮かべます。
そこで二つの時期のカツオの油脂成分、特にDHAとEPAはそれぞれどのくらいあるのかを調べてみることにしたいと思います。
初鰹と戻り鰹
初鰹といえば、早いと2月あたりからでしょうか、だいたい2月~5月くらいの時期に黒潮に乗って南方の海から日本の海にやってきたカツオのことを言います。
「初鰹」って言葉は、その時の一番最初の漁で獲ったカツオにつく名称。
この時期のカツオはエサを追い求めてたくさん泳いでくるので、身がしっかりとしまっていてサッパリタイプのお味です。
一方、「戻り鰹」というのは秋のカツオです。
エサとともに東北あたりの海までやってきたカツオが今度は親潮に乗って南へ戻っていきます。
だいたい9月から11月くらいの時期。
戻り鰹は春から夏の間に太平洋の海で美味しいエサをたっぷり食べているので、非常に脂が乗っていると言われています。
「初鰹」と「戻り鰹」、どちらも違った美味しさが味わえるということです。
カツオのDHAとEPAについて
では初鰹と戻り鰹の油脂成分をチェックしてみたいと思います。
文部科学省の日本食品標準成分表でカツオの油脂成分を見てみると、
【100g中の脂質の割合】
・かつお 春獲り 生(初鰹)・・・0.5g
・かつお 秋獲り 生(戻り鰹)・・・6.2g
秋獲りのカツオ、つまり戻り鰹の方が「12.4倍」も脂質が多くなっています。
今度は脂質100g中の成分内訳を見てみます。
【かつお 春獲り 生(初鰹)】
・飽和脂肪酸・・・36.6g
・一価不飽和脂肪酸・・・20.1g
・n-3系多価不飽和脂肪酸・・・37.1g
・n-6系多価不飽和脂肪酸・・・6.0g
【かつお 秋獲り 生(初鰹)】
・飽和脂肪酸・・・32.1g
・一価不飽和脂肪酸・・・28.5g
・n-3系多価不飽和脂肪酸・・・33.6g
・n-6系多価不飽和脂肪酸・・・5.1g
油脂成分の質に少し差があるようですね。
オメガ3系にスポットをあててもう少し細かくみてみると、
【かつお 春獲り 生(初鰹)】
・α-リノレン酸・・・0.7g
・イコサペンタエン酸(IPA→EPAのこと)・・・7.4g
・ドコサヘキサエン酸(DHA)・・・27.0g
【かつお 秋獲り 生(初鰹)】
・α-リノレン酸・・・0.9g
・イコサペンタエン酸(IPA→EPAのこと)・・・8.5g
・ドコサヘキサエン酸(DHA)・・・20.7g
DHAは初鰹の方が脂質100g中の割合が多くなっていますね。
ただし全体における脂質の割合では戻り鰹が12倍以上です。
つまり同じ量を食べた場合、戻り鰹の方がどの脂質もずっと多く摂取できるとは思います。
私はどちらかというと脂の乗った「戻り鰹」が好きですが、脂が少なくても身のしまったプリップリの「初鰹」もまた格別です。
どちらも美味しくありがたくいただきたいと思います。
とにかく魚だけではなく、旬の素材を食べるというのは本当に良いものですよね。
そして魚はやっぱりお刺身が一番。
美味しくて質の良い油脂成分を効率よくとることができます。