- 投稿 2017/09/13
- オリーブオイルについて

先日、初めてオーストラリアのエキストラバージンオリーブオイルを味わってみました。
味は?オーストラリア産オリーブオイル「カンガルーポー」レビュー
私はオリーブオイルに関しては取り立てて「産地」に対するこだわりはありません。
(偽装はイヤですが・・・)
品質が確かで好みに合っていればどこの国のオリーブオイルでも構わないと思っています。
それどころか、それぞれの風味や香りの違いをダイレクトに楽しめるのもオリーブオイルのメリットの一つ。
訪れたことがないその土地の空気や歴史、作り手の思いを自分の舌と鼻で感じれるって素敵ですよね。
この辺は別にソムリエじゃなくても十分に堪能できると思いますので、みなさんも色々な国のさまざまな品種で作られたオリーブオイルに挑戦してみることをおススメします。
さて、オリーブオイルというとまず一番先に思い浮かべるのはイタリアでしょうか。
実は生産量ではスペインが世界一なのですが、第二位のイタリアではスペインなど外国からオリーブオイルを輸入してイタリア国内でボトリングをするケースも多いと言います。
するとこれは「イタリア産」となって日本など世界に輸出されていくのですね。
イタリア産のオリーブオイルを買ってきたはずなのに実はスペインのオリーブオイルだった!?ということもなくはないでしょう。
スペイン、イタリア、ギリシャという地中海の三大王国の他に、トルコやチュニジア、ポルトガル、シリアといった国はオリーブオイルの生産が盛んな国です。
オリーブオイルは北半球の国々が生産量のほとんどを占めていることは間違いないでしょう。
しかし今回注目したいのは、先日試したオーストラリアやニュージーランド、チリ、南アフリカなどの南半球の国々です。
これらの地域はオリーブ栽培の歴史はまだ浅いですが、その分いくつかのメリットを持ち合わせています。
まずは収穫時期。
当然ですが南半球ではオリーブの収穫時期が北半球と半年ほどズレます。
オリーブオイルの命ともいえる鮮度。
どんなオリーブオイルでも採れたて搾りたてが最高なのは言うまでもありません。
ということは南半球の国のおかげでフレッシュなオリーブオイルを一年中楽しむことができるようになったとも言えるかも。
またこれらの国は、昔からオリーブの木が自生していたというよりは、主に諸外国から持ってきてオリーブを植えた国です。
するとその風土に合ったオリーブの品種を選ぶことができます。
その土地に合った品種に改良することもあります。
加えてオリーブの栽培に適した土地を厳選できるとも言えます。
群がる害虫も多く、気候にも左右されることが多いオリーブの果実。
安定した収穫や品質の良さを維持するために、これらは非常に大きな武器となるかもしれません。
そんな南半球の素晴らしいオリーブオイルを正しく評価するために、ロサンゼルスのオリーブオイルコンテストは年に二回開催されます。
つまり南半球のオリーブオイルの収穫タイミングと合わせてのこと。
アメリカは北半球ですが、カリフォルニアを中心とするオリーブ栽培に関してはまだまだ歴史が浅い国。
同じオリーブオイル新興国として、南半球のオリーブオイルを正当に評価する姿勢には質の良いオリーブオイルを作ることに対する厳しさやプライドも感じます。
とは言え南半球のオリーブオイル、肝心の生産量はまだまだほんのわずか。
日本でも店頭に並んでいるオリーブオイルはイタリア産がほとんどですよね。
南半球のエキストラバージンオリーブオイルとなると、やっぱりオリーブオイル専門店に行くかネットで購入しないとなかなか手に入りません。
日本のオリーブオイルもそうですが、本当はとても質の良い素晴らしいものが多いのに、なかなか手軽にお目にかかれないという現状。
ぜひ南半球の国々にはもっともっとがんばってオリーブオイルを作ってもらいたいです。
(本音を言うと「日本もですよ!」と、ムチャぶりしてみる)
そんな南半球のオリーブオイル、いくつか味わってみましたが、味を純粋に楽しめるというメリットも。
というのも世間にあまり知られていないし、良くも悪くも先入観がないので。
すると予想外に高品質でビックリすることに。
オーストラリア産?
あまり聞かないしどうなの?
南半球のオリーブオイル?
興味はあるけど冒険するのは不安。
やっぱり地中海の方が馴染があるし・・・。
そんな方にこそ、ぜひ一度南半球のオリーブオイルを味わっていただきたいと思います。
■参考記事■
味は?オーストラリア産オリーブオイル「カンガルーポー」レビュー
参考文献:オリーブオイル・ハンドブック(松夫恒夫、鈴木俊久)