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- DHA・EPAについて

DHA・EPAが身体にとても重要な栄養素だということで、意識して摂取している人は多いと思います。
でも取り過ぎることで副作用などはないのでしょうか。
摂り過ぎで起こる副作用とは
DHA・EPAの有効性を言う時、よく例にあがるのがグリーンランドに住んでいるイヌイット族とデンマーク人の比較です。
これはオメガ3(DHA・EPA)を多く摂取している人とオメガ6(リノール酸・アラキドン酸)を多く摂取している人では、どういった病気のリスクがあるのかということを比較しているものです。
オメガ6を多くとっているデンマーク人は血管が詰まる病気(動脈硬化など)が多く、グリーンランド人は出血性の病気(脳出血など)が多くなっているという統計が出ています。
ただこれは非常に極端な例にも思われます。
デンマーク人は魚をほとんど食べることがない人達、そしてグリーンランドイヌイットの人は海獣(アザラシとかオットセイとか)や魚以外はほとんど食べることがない人達だからです。
つまりイヌイットは極端にオメガ3(DHA・EPA)に偏ってしまっている例です。
それでもイヌイットは(ガンなどの)病気が総合的に少ないとも言われています。
きっと彼らの健康は、その厳しい極寒の土地で長年培われてきた知恵と進化によるものだからでしょう。
でも確かに血液がサラサラになり過ぎ(?)て出血が止まりずらいという症状が起こる可能性はあるようです。
もちろんこれは「可能性」や「確率」の問題で、必ずそうなるわけではありません。
サプリメントなどの過剰摂取には注意
その点、日本人は昔から穀物も野菜もたくさん食べる民族ですから、オメガ3が極端に過剰になることはあまり考えられないでしょう。
それでも、もし日本でごく一般的な生活をしてDHA・EPAを過剰に摂り過ぎる人がいるとしたら、おそらくサプリメントによるものではないかと思います。
サプリメントは医薬品ではなく「栄養補助食品」ですから、つい摂取量を守らずたくさん飲んでしまう人がいるかもしれません。
また、現在何らかの病気にかかり医者から薬を貰って飲んでいる人も念のため気を付けた方がいいでしょう。
お医者さんに飲んで良いか確認をとった方がいいかもしれませんね。
どちらにしてもサプリメントの過剰摂取はおススメできません。
そもそもたくさん飲んだからより健康になるといったものでもないと思います。
最も大事なのはバランス
DHA・EPAを取り過ぎると脳出血を起こすのでは・・・と心配になった人もいるかもしれませんが、イヌイットはあまりにも極端な例に過ぎません。
彼らは野菜や穀物はほとんど食べず、(陸の)肉食もわずかだと言います。
そう考えると、やっぱり大事なのはバランス(比率)なのではと。
ただオメガ3をたくさんとるのではなく「オメガ3とオメガ6のバランス」を考えなくてはならないでしょう。
おすすめは一日の摂取目標(1g)を守り、バランスをとるためにオメガ6の方を減らしていくことだと思います。
(オメガ3とオメガ6の比率は1対4、1対1でも良いという説もあり)
日本人(自分)の現状をしっかり把握する
また「どんなものをどのくらい食べるか」の他に、生活環境(文化・気候・風土など)が人間の身体(の進化)に影響を与えてきたのも無視できないと思います。
日本という国の文化、風土、食生活、日本人の体質・・・・。
これらを考えずに「これが身体に良いからたくさん食べよう」ではいけないのだと思います。
そしてできるだけ自然の食材を適量食べる。
できればサプリメントではなく、自然の食べ物を食べることによって健康でいられればベストかなと。
でもなかなかそうもいかない。
食の世界もグローバル化が進み過ぎて、にっちもさっちもいきません。
(現代のイヌイットだって、もしかしたら新たな問題を抱えているかも?)
だからどうしても足りないところは最新の技術(サプリメント)で補う。
それでも日本本来の魚中心の食生活を心掛け、良質のDHA・EPAを毎日とるのが理想でしょう。
そうすれば、穀物も野菜も海藻も肉も卵も食べる日本人です。
DHA・EPAの過剰摂取による副作用を怖がることもまずないのではと思っています。
参考文献:改訂版 EPAは心臓を守る潤滑油(浜崎 智仁/中村 典雄)