- 投稿 2016/11/14
- 油について~全般

オリーブオイルには大きく分けて2種類が売られています。
一つは高価で香り高い「エキストラバージンオリーブオイル」。
そしてもう一つがほぼ無味無臭に近い「(ピュア)オリーブオイル」です。
私はたいていエキストラバージンオリーブオイルを購入しますが、調理用の油として使うとその風味が合わない場合があります。
そこで(ピュア)オリーブオイルの出番となるのですが、それよりもっと良い調理用の油はないでしょうか。
そこで今回検討したいのが「グレープシードオイル」。
今回はグレープシードオイルの栄養成分をチェックし、グレープシードオイルがどんなオイルなのかを見ていきます。
そしてオリーブオイルと比較して「代用できるか」を考えてみたいと思います。
目次
実はかなり優秀な成分を持っているグレープシードオイル
白ワインを作る際の原材料に使ったぶどうの種子から作られたのがグレープシードオイル(「ぶどう油」となっているものもあり)です。
コレステロールが「ゼロ」であるという特長から、他のサラダ油をやめてグレープシードオイルを使っている人もいるのではないでしょうか。
そういう私もかつて他のサラダ油からグレープシードオイルに乗り換えた一人です。
ですがグレープシードオイルがブドウの種の油でコレステロールがゼロであること以外あまりよく知らずに購入していました。
つまり何となく「体に良さそうだから」という漠然とした理由です。
↑初めて購入したのは日清オイリオのグレープシードオイルでした
グレープシードオイルで特長的な成分は「ビタミンE(トコフェロール)」と「ビタミンK」が非常に豊富なこと。
例えばオリーブオイルのα-トコフェロールは100g中7.4mgなのに対し、グレープシードオイルは「27.5mg」と「約3.7倍」も含まれています。
このようにビタミンEが多いためある程度は酸化に強いオイルと言えます。
(ただし主成分であるリノール酸が酸化に弱いため一概には言えません)
またグレープシードオイルには「アントシアニジン」、「プロアントシアニジン」、「レスベラトロール」といったファイトケミカル(酸化抵抗物質)が含まれています。
これらによりしなやかな血管を維持したりアレルギーを防ぐとも言われており、グレープシードオイルの中にはとても優秀な栄養成分が含まれているのが分かります。
グレープシードオイルはリノール酸がメイン
コレステロールがゼロでビタミンEとファイトケミカルを摂取できると言われれば、美容と健康に良いオイルだと思ってしまいます。
ただし現代人にとって大きな欠点があります。
それはグレープシードオイルはリノール酸メインのオメガ6系のオイルだということ。
100g中の割合としてはおおむね以下の通り。
(メーカーによって多少の差があります)
・リノール酸・・・63g
・オレイン酸・・・17g、他
リノール酸の割合が6~7割とかなり高くなっています。
リノール酸は必須脂肪酸ですから決して悪者ではありません。
ですが現代の食生活では摂り過ぎが問題になっているため、できれば減らしたいオイルですよね。
では「トランス脂肪酸」はどうでしょう。
グレープシードオイルはトランス脂肪酸が入っているとかいないとか色々な説があるので混乱してしまいます。
そもそもトランス脂肪酸とは、主に「液体である植物油に水素を加えて固めたり、臭いを除去するために高温で精製加工する際に人工的にできるもの」ということでした。
マーガリンは本当に危険?トランス脂肪酸の事実
だからどういった「製法」で作られているのかがカギなのではと・・・。
熱を加えずに搾汁する方法(コールドプレス)のグレープシードオイルがあれば、トランス脂肪酸はほぼ発生していないのではと思います。
そこで日清のグレープシードオイル(上記画像)はどうなのかと瓶の表示とホームページを見てみました。
ですがいったいどんな製法で作られたものなのかは残念ながら分からず。
(他の油ではトランス脂肪酸の含有量が載っているものもあったのですが、グレープシードオイルはありませんでした。)
しかしグレープシードオイルの中には「トランス脂肪酸ゼロ」となっているものもあるようです。
また「コールドプレス」製法という表記があるものもあります。
トランス脂肪酸ゼロの表示があるオイル↓
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こちらは低温圧搾法(コールドプレス)の表記があるオイル↓
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ちなみに上記で述べたような優秀な栄養成分も製造方法によって含有量に大きな差が出てしまっている可能性があります。
どんな油でもそうですが、できるだけ熱を加えずに搾ったオイルかどうかをチェックして購入することをオススメします。
結局グレープシードオイルは身体に良いのか悪いのか
結局グレープシードオイルって身体に良いのか悪いのかってことですが、こればかりは個々の健康状態によってどちらにもなり得るってことしか言えません。
普段リノール酸を過剰に摂っている人にとっては、やはり気を付けた方がいいオイルでしょう。
しかし普段リノール酸をあまりとる機会がない人が、家庭の調理で常識的に使う程度ではあまり気にする必要もないのではと思います。
加えて上記に挙げたようなグレープシードオイルの栄養を得たい人もいるでしょう。
そんな人にとってはグレープシードオイルは身体に良いオイルだともいえます。
ただどちらにしても「コールドプレス」の商品を選んだ方がいいのは確かです。
グレープシードオイルはオリーブオイルの代用になり得るか
グレープシードオイルをオリーブオイルの代用品として使えるかどうか。
これは「何を比較するか」によって違ってくると思います。
つまり栄養成分を考えるのであれば、グレープシードオイルは「オメガ6」のオイルでありオリーブオイルは「オメガ9」のオイルです。
それぞれがリノール酸もオレイン酸も両方持ち合わせているとはいえ、その割合が全く違います。
そういう意味では代用品にはなれないような気がします。
ただし味覚的なことでいえば少し違ってきます。
エキストラバージンオリーブオイルは風味が強いため調理用の油として合わない料理があります。
その点(ピュア)オリーブオイルはほとんど香りもなく調理オイルとして使いやすいのですが、この代わりにグレープシードオイルを使うというのは「あり」です。
グレープシードオイルもほぼ「無味無臭」です。
つまり料理の味を妨げない非常に使いやすいオイルと言えます。
風味に個性は少ないですが、逆にどんな料理にも合うし、油っぽくないので非常に使いやすいのです。
(私は炒め物にも卵焼きにもドレッシングにも使ったことがあります)
「風味は要らない、ただ油が必要」という時に、(ピュア)オリーブオイルを使うのか、グレープシードオイルを使うのか。
それぞれが持っている栄養成分や各商品ごとの製造方法をチェックし、どちらがより自分や家族にとってメリットがあるのかを見極めて購入できればベストですね。
■参考記事■
参考文献;読むオイル辞典 YUKIE
[…] 詳しくはこちらの記事を参照 […]