- 投稿 2020/02/01
- 油について~全般

実家へ帰った時のこと。
母から上記画像の米油(「ボーソー米油 600g入り)を一本持っていってくれと言われまして。
お中元か何かで数本まとめてもらったらしいのですが、そういえば私は米油というものを一度も購入したことがありませんでした。
そこで今回は日本人にも親しみやすいイメージのお米(米ぬか)から作った米油について調査してみたいと思います。
米油について
日本ではこめ油や米ぬか油、英語ですとライスブランオイルと言います。
原材料は米(玄米)を精製する時に出る「米ぬか」ですので、ほぼ100%国産でまかなえる珍しい油とも言えます。
米油はサラッとしていてクセがないため調理用の油としてはとても重宝されています。
米油の油脂成分を見てみよう
米油の油脂成分をチェックしてみます。
これはボーソー米油の栄養成分表示です。
文部科学省の日本食品標準成分表によると次の通り。
・α-リノレン酸・・・1.3g
・リノール酸・・・35g
・オレイン酸・・・42.6g
・パルミチン酸・・・16.9g
一番多いのはオレイン酸なのでオメガ9系オイルと言えますが、リノール酸の割合も高くなっています。
反面、α-リノレン酸はとても少ないのが残念ですね。
しかし米油には特有のメリットがある
脂肪酸を見ると個人的にはちょっと残念に思ってしまう米油ですが、素晴らしい栄養も含んでいます。
それが上記の栄養成分表示の青い枠に表記されている3つの栄養素になります。
・植物ステロール
・γ-オリザノール
・トコトリエノール
「植物ステロール」とはファイトケミカルの一種で余計なコレステロールの吸収を抑えてくれます。
「γ-オリザノール」もファイトケミカルですが、米ぬか特有のものになります。
γ-オリザノールもコレステロールを抑えたり更年期障害対策や精神的安定になどに役立ちます。
またγ-オリザノールはしっとり美肌キープにも良いとのこと。
このためγ-オリザノールの入ったスキンケア用の米油(ライスブランオイル)もたくさんあります。
そういえば実家の母が昔、米ぬかを布袋に入れて顔を洗っていたことがあります。
母がγ-オリザノールを知っていたとは思えませんが、栄養豊富な米ぬかで美肌作りをするのは昔からの知恵ですよね。
「トコトリエノール」は米ぬかに豊富ないわゆるビタミンEですが、酸化抵抗成分として働きます。
このように比較的特有な栄養成分を含む米油は、ある人にとってはとても有益な油となるかもしれません。
また酸化に強いことから調理用の油に適しており揚げ物などにおすすめです。
米油も抽出・精製方法をチェックするのは大切
どんな油にも言えることですが、高温で精製処理したものは栄養が減少したり、トランス脂肪酸などの悪影響も出てきてしまいます。
当然米油についても同じ。
どうせ購入するなら抽出方法や精製方法もチェックしてみましょう。
ちなみに今回もらったボーソー油脂の米油ですが公式サイトで「米油ができるまで」の図を公開しており、これを見ると一般的な精製処理のようです。
つまり高温で化学的に処理されているということ。
ではもう少し違った方法の米油はないのか調べてみると、数は少ないですがあるにはあるようです。
山形県産 つや姫こめ油 180g【東北 山形 三和油脂 米油】【RCP】
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ただし価格は高めであり、通常のスーパーなどにはおいていないかもしれません。
米油と米サラダ油の違いは?
米油、実は色々な名前を持っています。
米ぬか油、玄米油、ライスブランオイル・・・。
ですが基本的にどれも同じ。
玄米を精製する時に出る米ぬかから作られたものです。
ちなみに「米サラダ油」となっているものもありますよね。
米油と米サラダ油は違うのでしょうか?
サラダ油とはドレッシングなどで生食できるほど高度に精製した植物油です。
ちなみに米油もJASの規定の原材料でありサラダ油の一つになっています。
ですからたいていの場合、米油と言えば「サラダ油」のこと。
ですが化学的処理を行わない精製方法をとっているなど品質と栄養成分量を保っている米油もあります。
実際、米油と米サラダ油に分けているメーカーもあります。
あまりネーミングに惑わされずに精製方法や抽出方法などをよく確認した方がいいかもしれません。
まとめ
いかがでしょうか。
米油は味にクセがなく揚げ物などの調理用油にも適しています。
とは言えリノール酸が多いのは間違いないので「おすすめです!」とまでは言えませんが、安価なサラダ油から脱却したい人が手始めにムリなく使える油としてはおすすめできそうです。
ただし米油もできるだけ品質の確かなものを選んだ方がいいでしょう。
できれば高精製処理されたサラダ油ではなく、ファイトケミカルなどの栄養が豊富に含まれて最低限の精製にとどめている米油を選んでみてください。