- 投稿 2017/10/09
- オメガ3について

亜麻仁油を使った実験を久しぶりにやってみました。
オメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸をたくさん含む亜麻仁油やえごま油などは通常加熱をしないで生のままとるというのが定説です。
加熱をすると生臭い魚の臭いがしてくるのですが、ふと思ったのは「だったら魚を焼くのに使ったら気にならないのかなあ・・・」ということ。
そこで今回は亜麻仁油で魚を焼いて味や臭いがどうなるのか実験をしてみたいと思います。
α-リノレン酸を加熱してはいけないワケ
さてここでもう一回、どうして亜麻仁油やえごま油などに多く含まれるα-リノレン酸は加熱しない方がいいのかということを書いてみたいと思います。
一般的に言われているのは次のような理由です。
・α-リノレン酸(オメガ3)は熱に弱い構造をしている
・油が酸化するため体内に悪影響がある
・生臭い異臭がしてくる
私自身、かつてα-リノレン酸を加熱してみる実験をしたことがあります。
亜麻仁油を加熱すると、言われていた通り焼き魚っぽい臭いがしました。
メーカーサイドでも「できるだけ生の状態で、加熱する場合でも短時間でサッと」といった文言を記載しているものが多いと思います。
本当に加熱はNGなのか?
加熱により魚の臭いがしてくるのは実験により体験済みなのですが、成分が破壊されたりまして体に悪影響があるというのは本当なのでしょうか。
「オリーブオイル・サラダ油は今すぐやめなさい! (綜合ムック)」の著者である奥山治美さんは本の中で次のように記載しております。
低温で圧搾(コールドプレス)したえごま油・しそ油、亜麻仁油は、普通の揚げ物、炒めものより高い温度-200℃程度までなら異臭が立つことはありません。また加熱で《α-リノレン酸》が壊れることはありません。
私の実験では異臭がしたのですがどうなんでしょう。
(もっとも個人で行った「なんちゃって実験」ではありますが。)
α-リノレン酸が壊れることはないというならそれに越したことはないですよね。
そして同書では酸化の人体への害悪について次のように言っています。
しかし、消化の過程で分解されてしまい、体内で悪い作用をすることはありません。
少し多く食べたとしても、下痢をして体外に排出されてしまいます。
せいぜい、一時的におなかをこわすくらいの害なのです。
奥山さんは油の酸化を怖がる必要はなく、毎日の調理でオメガ3系を積極的に使って大丈夫と言っているのですが、お腹を壊す可能性はあるのですよね・・・。
私はこの文章に若干の違和感を感じてしまったのですが、おそらく言いたいのは重大な人体への影響があるかどうかってことなのかと。
酸化した油が体内の脂肪を酸化させて「がん」が発生したり「老化」が進んだりといった重大な悪影響はどんな研究でも見つかっていないと言っています。
つまりどんなに酸化しきった油を食べてもお腹を壊す程度の影響しかないよ、ってことなのですが、こればかりは・・・お腹も壊したくはない人の方が多いと思います。
でもよくよく考えてみると、魚だって刺身より加熱するとより魚臭くなりますよね。
まさに亜麻仁油を加熱した時と魚を焼いた時の臭いってほとんど一緒でした。
ってことは、魚のDHAやEPAも加熱することで酸化しているからこそ臭いが強くなるとすれば、大抵の人はお腹を壊さず普通に魚を焼いて食べているわけなので、α-リノレン酸も「加熱したら身体に悪い成分が発生して悪影響があるから絶対NG!」ってまで言えるのかどうか・・・。
「生の方がよりイイよ!」って意味なら魚のDHAも亜麻仁油のα-リノレン酸も同じですよね。
ところで我が家の夫と子供、焼き魚でお腹の調子を壊すことがあるのですが、これってまさに魚の油(DHA・EPA)が酸化したことに反応しているのかな・・・。
よく分かりません。
とにかくこの記事では「こういう意見や説もありますよ」という「紹介」に留めたいと思います。
亜麻仁油加熱実験スタート!
とにもかくにも今回の実験のテーマは「亜麻仁油で魚を焼くと味がどうなるか」といった素朴かつ純粋な好奇心から思いついたものです。
結果として体に悪い成分が発生したかどうかは分かりませんので予めご了承ください。
まず買ってきたのは最近流行り(?)の骨なしサバの切り身。
フライパンで焼いてもOKとなっていたので、これを使って実験します。
フライパンに亜麻仁油を引きます。
使ったのは何度かリピートしているこちらの亜麻仁油。
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サバの両面を焼いていきます。
グリルで焼くより手軽で手間がないですが、カラッと感が少し足りない?
ひっくり返しているうちにちょっと皮が剥がれてしまいました・・・。
味の感想とまとめ
亜麻仁油で焼いたサバ、いったいどんな味でしょうか。
まずニオイについて。
キッチン・ダイニング中に魚臭が充満しています。
魚を焼いた時はいつもこんな感じ。
特にサバは魚臭が強い魚ですし、亜麻仁油の生臭さがミックスされているのかは正直よく分かりません。
しかし他の部屋から入ってくると「!!」と思うほど魚臭のインパクトがあるので、きっと亜麻仁油パワーがプラスされているのかも?
(換気扇はつけておりましたが)
そして味。
まったく問題なくいつもの焼きサバです!
亜麻仁油のクセというものは特に感じず、すっかりサバの味と同化しているようです。
ただ魚焼きグリルで焼くよりもフライパンに油を引いて焼いたのでよりオイリーな感じがしました。
これがいいのか悪いのかは分かりませんが、なかなか腹持ちが良かったのは間違いありません。
以前の実験でも味は特に悪くなることはなく、ただひたすら臭いだけが印象に残りました。
まあ個人的な感想としては「亜麻仁油でサバを焼いても味がおかしくなることはない」という結論になりました。
これならサラダ油やオメガ6系を使いたくない人には、魚の調理だけにはオメガ3を使ってもいいのでは?と言えるかな。
ただし淡白な白身魚には合わないかもしれません。
ちなみに今回の実験ではサバの切り身を二切れ焼きましたが、お腹を壊す可能性もあるため家族には食べさせませんでした。
私の自己中な実験で家族の体調が悪くなるのはさすがにマズイので。
私は二日に分けてサバを食べ切りました。
そしてお腹を壊すことはありませんでしたが、腹持ちがよくお腹がすくタイミングが遅くなったと思います。
■加熱調理OKな亜麻仁油もあります↓■